香芝市議会 2014-03-17 03月17日-02号
保育制度改革の動きは、1992年の公立保育所人件費の地方交付税化に始まりました。しかし、これは自治体の強い反対に遭い、撤回が余儀なくされました。ところが、政府は、1997年6月に児童福祉法を改正し、保育所を措置施設から外しました。言葉のうえでは措置制度がなくなりましたが、国や自治体の保育における実質的な責任は担保されています。
保育制度改革の動きは、1992年の公立保育所人件費の地方交付税化に始まりました。しかし、これは自治体の強い反対に遭い、撤回が余儀なくされました。ところが、政府は、1997年6月に児童福祉法を改正し、保育所を措置施設から外しました。言葉のうえでは措置制度がなくなりましたが、国や自治体の保育における実質的な責任は担保されています。
この新システムの原型は、自公政権から検討されてきた保育制度改革です。営利企業の参入を広げる保育の市場化と保育も金次第という世界に変えてしまうもので、子供の最善の利益とは相入れない制度です。児童福祉法第24条で明記されていた、この市町村の保育の実施責任というのをこれを削除しているわけですね。保育を確保するための措置を講じなければならないというふうに変えられました、市町村の責任を。
その内容は「幼保一体化」と称して、直接契約・直接補助方式の導入など介護保険制度改革をモデルにした保育制度改革を行い、保育所・幼稚園・認定子ども園を一本化することによって福祉としての保育制度を根本から変えるものとなっています。
昨年、厚生労働省が打ち出した保育制度改革案です。希望する保育所を選べるとか保育所の数が増えるなどと改革案をバラ色に描くマスメディアがありますが、厚生労働省の新制度案はそんなに甘いものではありません。保育所の環境が実際にどうあれば子どもの育ちにふさわしいのかは、本来、国が責任を持って明らかにし、その水準を全国隅々の保育所に確保するために努力を費やさなければなりません。
しかし、この間、経済財政諮問会議、地方分権改革推進委員会や規制改革会議などで行われている保育制度改革論議は、直接契約・直接補助方式の導入や最低基準の廃止・引き下げなど、保育の責任を後退させる市場原理に基づく改革論であり、国会で採択された請願内容と逆行するものであります。
その後、政府、厚生省は措置制度を外して直接契約入所方式導入を中心とした保育制度改革案をまとめ、児童福祉法の改正とともに一九九四年度から制度改革を実施するという計画を進めていました。しかし措置制度の堅持・拡充を願う国民の運動によって一九九四年度、一九九五年度と厚生省は保育制度改革をあきらめざるを得ませんでした。 しかしながら、政府は決して保育制度改革をあきらめたわけではありません。